ネットで脱毛について検索したり、実際に脱毛した方のSNSを見ていたりすると、見かけたりするのが「硬毛化」や「増毛化」という言葉です。また実際に脱毛をしたことがある方の中にはこれらを実感したことがある方もいらっしゃるでしょう。この二つの言葉からはあまりいいイメージが浮かばないですよね。実際に脱毛途中にこれらの症状が表れてしまうと、辛い思いをされる方がいらっしゃるでしょう。今回は脱毛すると出てくることがある症状の「硬毛化」と「増毛化」についてまとめていきます。
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~目次~
1.硬毛化・増毛化とは
2.脱毛直後は断定は難しい
3.硬毛化・増毛化の原因
4.起こりやすい部位
5.発生する確率
6.予防策
7.毛が目立つようになってしまった時の対処法
8.まとめ
以下の順番で説明していきます。これから脱毛しようと考えている方、脱毛をしていてこれらの症状に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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1.硬毛化・増毛化とは
まずよく聞く硬毛化と増毛化について説明していきます。
硬毛化とはエステサロンの光脱毛や医療脱毛のレーザー脱毛のような、特殊な光のパワーを脱毛を行う際、かえって以前よりも毛が濃く、硬く、太くなってしまう現象のことを言います。元々太く目立つ毛の多い部位ではあまり気が付きませんが、薄く細い産毛が多いような部位を脱毛したら脱毛前にはなかったのに、脱毛の後で太い毛が生えてきた、というのが硬毛化です。ちなみに毛を剃るとその断面の太い部分が目立つようになることから、毛がシェービングすると太くなるという話もあります。しかしこの太く見えるというものとは異なり、実際に毛が太く硬く生えてくることを指します。
増毛化とは硬毛化と同じで、脱毛用の特殊な光のパワーを利用して行うと脱毛以前よりも毛の量が多くなってしまう現象のことです。また多毛化という言葉を使うこともあります。
増毛化についてもそのほとんどが硬毛化で目立つ毛が増えたことによって、「毛が増えた」と思うことが原因である為、基本的には同じ現象を指します。
これらが硬毛化と増毛化です。キーワードとなるのは脱毛の後です。自己処理の後ではあまり硬毛化と増毛化という言葉は使いません。
2.脱毛直後は断定は難しい
近頃ではウェブ上の情報や書き込みなどに皆様の脱毛の硬毛化や増毛化を心配される記事を見かけることがありますが、脱毛における硬毛化や増毛化の症状自体は実はそうめったに見られる事ではありません。
そもそも人間の毛穴の数は本来生まれ持って決まっていますし、何らかの行動によって極端に毛が濃くなったり、増えたりしてしまうことは理論上考えにくいと言えます。
また脱毛を初めて始めた方によくあるケースの1つには、施術後すぐに毛がまた生えてきたことに驚かれ、硬毛化したと思いこまれている場合もしばしば見受けられます。しかしこれは脱毛初心者の方が脱毛の仕組みに対し、まだ知らない部分がある為に思い込んでしまいやすい誤解の1つです。
もともと光のパワーを利用した脱毛施術である光脱毛とレーザー脱毛は、成長期に入っている毛にしか効果を発揮しません。その為1回の来店で抜けていく毛の量は、全体のわずか数十%にしかすぎません。もちろん前回の施術で成長期になっていなかった毛や成長期だったとしても効果をあまり与えられなかった毛は次回の施術に持ち越されます。当然これらの毛穴からは脱毛施術後でもしばらくするとまた毛が生えてきます。その為脱毛は回数を重ねて受けていく必要があります。
またどの程度の毛が新しく生えてくるかというのは人それぞれ違いがあり、毛のサイクルによって、毛が薄くなる時期や反対に毛が濃くなるというのも存在します。
つまりこの脱毛後にまた太い毛が生えてくるという現象は、脱毛に通う上で通常あり得る現象である為最初の1~2回で硬毛化と断定するのは時期尚早と言えます。
最低でも脱毛開始後3~4回ほど通ってみてある程度毛が薄くなってくるタイミングからそれでも毛が増えているように感じるのであれば、硬毛化を疑ってみるというくらいが良いでしょう。
3.硬毛化・増毛化の原因
脱毛サロンや脱毛クリニックで光のパワーを利用した脱毛で、毛が硬毛化もしくは増毛化してしまう原因についてですが、残念ながらその明確な原因は解明されていません。
一説としては特殊な光を使った脱毛は黒いものに反応する仕組みで出来ている為、基本的に太くて濃い毛に敏感に反応し高い脱毛効果を発揮しますが、反対に薄くて細い産毛のような毛には反応しづらく、照射をしても脱毛しきれずに残ってしまう場合があります。
そしてこの残ってしまった黒色色素の少ない産毛の毛は、通常であればそのまま何事もなかったかのように成長していくのですが、光のパワーによって毛の細胞や、発毛因子を分泌する組織が促進されてしまうことで、毛がいつもより太く長く育つようになるということが原因ではないかと推測されています。
このようなことから脱毛による硬毛化・増毛化は元々体毛が薄く、毛が細めの人に多い傾向にあります。
反対に元々太い毛が多い人の場合は脱毛効果が発揮されやすいということや、そもそも細い毛が太くなってしまっても気が付かない場合が多いということから、硬毛化・増毛化が気になる可能性が低い状況となっています。
原因に関してはあくまで推測です。その為決めつけをするような行動は避けるようにしましょう。
4.起こりやすい部位
3の章でも説明しましたが、硬毛化と増毛化は毛が細めで産毛に近い状態の部位に起こりやすく、全身の中でも起こりやすい部位とそうでない部位があります。
具体的にどの部位が発生しやすいのか、硬毛化・増毛化が起こる可能性が高いと言われている部位をまとめていきます。
顔・肩を含む背中・乳輪周り・二の腕・太ももなどこれらの部位が硬毛化・増毛化が起こりやすいです。
ご覧いただくとお分かり頂けますように個人差はありますが、ここに挙げた部位は元々毛が生える量がそう多くなく、さらに人によってはあまり自己処理を行わない部位となっています。
つまり元から毛が多い部位でない為、脱毛前よりも毛が濃くなってしまったりするとすぐに気が付きやすい部位とも言えるでしょう。言い換えてみれば硬毛化が多い部位というよりも、硬毛化に気が付きやすい部位ということが出来ます。
ただ背中など背面部分は毛が増えたかどうかが自分ではほとんど確認することが出来ず、なかなか硬毛化していることに気づきにくい部位となっています。背面部分の硬毛化が気になるようであれば、ご家族や背中を見てもらえる方などに背面部分の毛の状態を定期的にチェックしてもらいましょう。
5.発生する確率
それでは硬毛化はいったいどのくらいの割合で起こるものなのでしょうか。実はこの確率に関しても、はっきりとした発生率を断定した公的機関による資料はありません。またウェブ上などで検索をした場合、スペインの医療脱毛メーカーが発表した資料によるとその発生率が10%、日本のメンズ脱毛サロンが実施している資料によると0.3%など、実に様々な調査結果が散見されており、その数字もまちまちです。
まちまちな数字が書かれた情報が多いと、どの情報が正しいのか疑問に思いますよね。結論からいうと、この調査結果に差が出るのはある意味当然のことで、どの情報が正確だということは出来ないのです。
なぜ調査結果にこれほどまで大きな差が出るのかというと、スペインの例だと調査対象が海外の方であり、日本人にこの結果がそのまま当てはまる訳ではありません。また日本のメンズサロンの例だと元々男性の体毛は女性の体毛よりも太くて濃い傾向にあります。その為そもそも光のパワーを利用した脱毛方法で硬毛化が発生したとわかる確率は低いと考えられます。つまりメンズサロンの結果は女性にそのまま当てはまるとは言えないからです。
また脱毛施術を行って結果的に毛が増えたという話はほとんど見られません。数回の照射を行ってもあまり効果が感じられないという口コミは見られますが、明らかに毛が濃くなった、毛が増えたという状態になるケースは非常にまれです。さらに一時的に硬毛化が引き起こされたとしても、最終的には脱毛によってすべて無くなってしまうことから、しっかりと脱毛を終えた方の意見として硬毛化が気になっているという方はほとんどおられないということがわかるでしょう。
このように硬毛化・増毛化が起こる可能性は一概に正解があるとは言えません。またしっかり脱毛を完了させてしまえば硬毛化・増毛化が気になることはありません。
6.予防策
脱毛が完了した時には硬毛化・増毛化が気にならないとは言っても、脱毛に通っている途中だとどうしても気になってしまいますよね。多くの人が綺麗に抜けたと言ってても、自分の場合も綺麗に抜ける確証はあまりありませんから心配になってしまう方もいらっしゃると思います。またまだ抜けた訳ではないから脱毛途中の今、硬毛化・増毛化の症状が起こり、毛が目立つことがストレスになってしまう方もいらっしゃるでしょう。だからこそ硬毛化や増毛化が起こらないように出来るのであれば、予防したいですよね。では硬毛化・増毛化の予防方法について紹介していきましょう。
●使用機械の確認
これは一見あまり関係はなさそうですが、脱毛施術の技術力不足やかなり年代の古い機械を使用している場合、硬毛化に影響することがあります。
また脱毛は毛穴に対してレーザーや光の照射を行うだけの施術ではありますが、レーザーや光を照射する際の出力の選び方や、しっかりとまんべんなく当てる技術など、施術者のスキルや知識によっても効果が変わってきます。慣れていない施術者の施術の場合は打ち漏らしや不十分な照射となってしまうこともあります。
これらの要因により毛に十分な熱を加えることが出来ていない、光の熱が中途半端に毛穴の奥に残ってしまっていることで毛の細胞や発毛因子の促進に繋がってしまうことがある為、脱毛を受けようと脱毛クリニックや脱毛サロンを選ぶ場合は安価なキャンペーンに釣られることなく、技術力や使用機械などもよくよく吟味する必要があると言えるでしょう。
●機械の種類の確認
硬毛化をあらかじめ防ぐには、最新型の蓄熱式の脱毛機を導入している脱毛サロンや脱毛クリニックを選ぶことも有効な手段の1つだと言われています。蓄熱式とは発毛因子の元である毛穴の奥の毛包にあるバルジ領域という部分に、熱を蓄えて毛を抜いていく最新機械です。
この方法は従来型のように高温の熱を毛穴に照射をする必要がなく、低温度の熱をじんわりと毛穴に蓄積していく方法で、過剰な熱が残ったり毛を育てる毛根部分に対して変に刺激が加わるということがない為、硬毛化を引き起こしにくい脱毛方法だとも言われています。
ただし蓄熱式脱毛については取り入れられてからまだ歴史が浅く、長期的に見た場合にそもそもどのような影響が起こりえるかという点はわかっていませんので、今後実際の症例が増加してきた際にその効果や副作用がはっきりとわかるようになると言えます。
●脱毛方法を選択する
光を使った脱毛方法によって硬毛化や増毛化が起こるのであれば、その方法を避ければ良いのです。
光を使わない脱毛方法にはニードル脱毛というものがあります。ニードル脱毛は光のパワーを利用した脱毛方法が普及するもっと前からのクラシックな脱毛方法になります。その方法とは毛穴1本1本に針を刺し、その針に特殊な電流を流し毛穴にダメージを与えて脱毛していきます。光脱毛やレーザー脱毛のように高度な熱を加える必要がない為、毛穴に余分な熱が残ることがなく硬毛化が起こりにくい方法であり、また硬毛化で増えてしまった毛の再脱毛にも非常に有効な手段となっています。
ニードル脱毛は施術自体が非常に細かい技術が要求され、痛みも伴うことから現在ではニードル脱毛を提供されている脱毛クリニックはかなり激減しました。しかし現在でも一部のクリニックでなら受けることが可能です。
これらの方法を活用することで、ある程度の硬毛化は予防できるかもしれません。しかし確実な硬毛化の原因がわかっていない為、機械の選択に関しては硬毛化になる可能性が低くなる程度で考えておくほうが良いでしょう。
ニードル脱毛では光を使わない為、硬毛化になることはありません。しかし料金が光脱毛やレーザー脱毛よりも格段に高くなり、一回の施術の時間が長い、痛みが強いなどデメリットの面もあります。その為硬毛化がどうしても気になる部位や、産毛など薄く細い毛が多い部位など限定された部位のみニードル脱毛にするなど部位を分けるのも手です。またどうしても一回も硬毛化になりたくないなど、硬毛化・増毛化に心配がある人は早くからニードル脱毛にするなどしましょう。
7.毛が目立つようになってしまった時の対処法
それでは硬毛化や増毛化によって毛が目立つようになってしまった時には、どういった対処法が適切なのでしょうか。
これまで述べましたように硬毛化とは、光やレーザーで照射しきれなかった部分の毛の発毛因子が促進されてしまったことにより、起こる現象だと考えられています。
しかしこの硬毛化した毛は脱毛が出来ない毛というわけではなく、再度光やレーザーを照射することで、しっかりと脱毛効果を得られることが出来る毛でもあります。
そもそも基本的に硬毛化は照射したことによる刺激で、一時的に起こってしまっているという場合も多く、一定期間日数を空けることで症状が落ち着いてくることも少なくありません。つまり硬毛化が発生し、症状が落ち着かない場合は施術回数を増やさなくてはいけない場合があります。その為クリニックで脱毛を受ける際は硬毛化保証があるところを選ぶと良いでしょう。
ただし脱毛サロンでの光脱毛についてはそもそも出力できる最大のパワーが弱い為、産毛など薄い毛は脱毛までに時間が掛かり、適度な刺激によって硬毛化を繰り返す可能性もあります。
このような場合にはしっかりと出力の高いレーザーによる脱毛を受けられるクリニックでの脱毛に切り替えたほうが金銭的、また効果面そして精神的な負担が少なくなるでしょう。
8.まとめ
ムダ毛を無くし綺麗な肌になる為に脱毛をしているのに、脱毛をすることで硬毛化や増毛化の症状が出ることがあります。しかし脱毛を受けた直後に硬毛化や増毛化だと断定することは難しく、発生する原因や確率に関しては正しいことはわかっていません。その為予防をしても硬毛化や増毛化の症状が出る確率が低くなるというようなものです。硬毛化や増毛化はしっかり脱毛を完了させることで無くなる可能性が高いです。しかしどうしても一回も硬毛化や増毛化になりたくない場合は、これらになる可能性のないニードル脱毛を選択すると良いでしょう。
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