そもそも脱毛ってどうして毛が抜けるの?

暖かい季節になると脱毛に関するお問い合わせが増えます。しかし実際に脱毛を始める最適な季節は秋~冬です。脱毛に関するお問い合わせの中でも、脱毛自体が初めてという方も多くいらっしゃいます。
脱毛は近年より身近なものになりつつありますが、料金が高いイメージや痛いイメージが強く根付いているため、まだまだ敷居の高いものに感じている方もいらっしゃるでしょう。特に男性は女性よりも敷居の高さを感じているかもしれません。しかし現在は男性の脱毛率も高くなってきています。男性も5人に1人は脱毛している割合になってきています。
部位別脱毛、全身脱毛問わず、プロの手を使って脱毛をしようと思ったら、まず最初に悩むのが脱毛方法でしょう。また脱毛とはいったいどのような仕組みで脱毛し、ムダ毛が生えてこないようにしているのでしょうか。
脱毛にすでに通っている方でも、実は脱毛方法の違いや脱毛自体の仕組みについて知らない方は多いです。またまだ脱毛に通っていない方も脱毛の仕組みを知ることで、脱毛方法の選択がしやすくなると思います。
今回は脱毛の仕組みについてまとめていきます。
~目次~
1.毛の構造、毛周期とは
2.脱毛の仕組み
3.部位別の毛周期のサイクル
4.光脱毛の仕組み
5.レーザー脱毛の仕組み
6.光脱毛・医療脱毛の向き・不向き
7.脱毛の副作用やリスク、注意点
8.まとめ
以下の順番で説明していきます。これから脱毛に通う方、脱毛の仕組みを知りたい方はぜひ参考にしてください。
1.毛の構造、毛周期とは

毛を作り出しているのは、「毛根」です。球状に膨らんだ毛根の根元は「毛球」と呼ばれ、毛球の内側にあるのが「毛乳頭」です。毛乳頭は毛細血管が運んでくる栄養分を取り込み、毛球内部にある「毛母細胞」に与えます。栄養分を受け取った毛母細胞は分裂を繰り返し、次々に細胞を押し上げ毛が成長します。
人間の身体には「毛周期」というものがあります。毛周期とは毛が成長して、抜ける周期のことを言います。この毛周期によって、毛は定期的に生え変わっているのです。つまり毛は常に生え変わっているのです。髪の毛でイメージするとわかりやすいと思います。髪の毛は毎日抜けて生え変わりますよね。それも1本や2本ではなく、大量の量がです。
このように髪の毛以外の毛も、気が付かない間に生え変わっているのです。毛があまり長くないのでわかりにくいと思いますが抜けています。また交代で毛が生えているので見た感じではわからないと思います。これは毛周期があるからです。
毛周期には3つのサイクルがあります。
「成長期」・・・毛が毛細血管から栄養をもらい、元気に生える時期
「退行期」・・・毛細血管から毛根が離れ、成長を終えた毛が抜ける時期
「休止期」・・・次の毛が肌の中で眠っており、生える準備をしている時期
この3つを合わせて毛周期と言います。成長期→退行期→休止期→成長期・・・と繰り返し回っています。大体次の期に移るまでに3~4週間程度掛かります。これは個人や部位によって違いが生まれます。
実はこの毛周期がある為、今肌から見えている毛が100%ではありません。目に見えているのはその人が持っている毛の約20%~30%だと言われています。
2.脱毛の仕組み

脱毛サロンや脱毛クリニックでの脱毛は、そもそもどんな仕組みで毛が抜け落ちるのでしょうか。脱毛は脱毛機を使って照射すると熱が伝わり、毛や周辺組織にダメージを与えることが出来るので、結果として毛が抜け落ちます。簡単に言うとムダ毛に照射し、ダメージを与えることで毛が抜け落ちます。脱毛サロンでの脱毛も、脱毛クリニックでの脱毛も、基本的にはこの原理で毛が抜けます。
脱毛サロンと脱毛クリニックの違いは、扱う機械が異なります。脱毛サロンでの脱毛は基本的に光脱毛と言い、脱毛クリニックでの脱毛はレーザー脱毛と言います。
ただ光やレーザーを照射したからと言って、その部位にもう二度と毛が生えてこなくなる、ということではありません。1度の照射で効果であるのは全体の約20%の毛に対してだけだと言われています。その為100%を目指すために何度か照射を繰り返す必要があります。これが一般的に言われる「脱毛に通う」ということです。
なぜ20%の毛にしか効果がないのかというと、光脱毛、レーザー脱毛関わらず脱毛機は「成長期」の毛にしか反応しないからです。
毛には「成長期」「退行期」「休止期」と生え変わりのサイクルがあり、1つ1つの毛が違う周期で生える→抜ける→また生える・・・を繰り返しているのですが、一般的に脱毛効果を得られるのは、「成長期」の毛のみです。成長期は最もメラニン色素が多く、レーザーが反応しやすい時期です。退行期はメラニン色素が少なく、毛の根元が浅くなっている状態です。その為毛根の細胞まで熱が届きにくく、照射してもあまり意味がありません。
また休止期は毛の成長が止まっている状態なので、こちらも毛にダメージを与えにくい状態です。効率よく脱毛をするには、成長期に入っている毛が多いほうがいいということです。しかしその毛が成長期だとどう判断すればいいのでしょうか。実は今目に見えてしっかり生えている毛が「成長期」と考えて大丈夫です。その為毛が生えそろったタイミングで次の照射をすればいいのです。
休止期の毛はこれから生えてくる毛なので、見には見えません。毛の処理をしていると、次の日にはもう毛が生えてきたり、すぐにチクチクするといった経験をされた方も多いでしょう。それがまさに成長期の毛なのです。処理をしないとどんどん生えてきて、毛が生え揃います。脱毛照射を繰り返していると、この毛が生え揃うまでの時間がどんどん長くなっていきます。
短期間に詰めて何度も照射をすればいいわけではなく、毛が生えそろってから脱毛する、毛周期に合わせての脱毛が基本ということを覚えておきましょう。脱毛に関して大切なのは一定期間を空けて照射をするということです。
3.部位別の毛周期のサイクル
脱毛の広告で「2週間に1回」通えるや「数カ月で脱毛完了」という文を見たことがある方が多いと思います。しかし実は毛周期は部位によっても人によっても全然違います。その為全ての人に当てはまる「脱毛に通うベストな間隔」を提示するのは難しいのです。
では部位ごとの毛周期の目安を見ていきましょう。

この表を見ると、部位ごとによって毛周期は実はかなり差があることがわかります。
繰り返しになりますが、脱毛の基本は毛が生え揃ってからです。
目安をあげるとすれば全身をまるっと脱毛する場合、光脱毛は最初約3週間ごと、効果が出始めたあたりから約4週間程度です。レーザー脱毛だと始めの3回程度は約3カ月ごと、4回目以降は約4か月ごとに通うというのが一般的です。
なぜ光脱毛とレーザー脱毛で空ける期間は、大きく異なるのでしょうか。同じ仕組みで脱毛するので混乱しがちですが、光脱毛とレーザー脱毛はそもそもの目的が違って、全くの別物だと言えます。
光脱毛では制毛・抑毛が目的となり、レーザー脱毛では発毛組織の破壊が目的となります。
その為空ける期間が異なったりします。また部位ごとに毛周期は異なる為全身脱毛はタイミングを見計らう必要があります。
4.光脱毛の仕組み

一般的に脱毛サロンや脱毛エステと呼ばれているのは、光脱毛を行っているところです。光脱毛では、通常「インテンス・パルス・ライト(IPL)」という光が使用されています。これはムダ毛の毛根にあるメラニンに作用して毛根自体を弱らせることで、脱毛効果を得られるという仕組みになっています。
光のパワーとしては医療脱毛で用いられるレーザーと比べると弱く、安全に使用することが出来る為医師のいないサロンでも使用することが可能です。
多くの脱毛サロンや脱毛エステでは、光を照射する前にジェルを塗ります。このジェルは照射する光を吸収しやすくする役割があり、肌へのダメージを軽減する効果もあります。
そして光脱毛は痛みが少ないのも特徴です。多くの体験者は、ほぼ痛みは気にならないと思うことが多いようです。
●光脱毛IPLは美肌効果もある
IPLの光はエステなどで美肌ケアとしても使用されてきました。赤みのある肌の改善やニキビの後のケア、そして肌のくすみや毛穴を引き締める効果もあると言われています。その為IPLで行う光脱毛は同時に肌のケアもすることが出来ると考えられます。その点では医療脱毛と比較しても、「顔脱毛」をするのに適していると言えます。産毛などの細い毛にもレーザーより適しており、痛みが少ないので顔脱毛に向いているのです。
●光脱毛IPLの脱毛効果
光脱毛IPLの脱毛効果についても知っておきましょう。光脱毛IPLはレーザーに比べるとパワーが弱いです。その為脱毛効果を得られるまでには長い月日を要します。部位にもよりますが、2,3カ月に1回照射を受けても2年近く掛かるのが普通です。
毛の生え変わるサイクルである毛周期にぴたりと当たって照射を受けることが出来れば、2週間ほど経過した時点で見えていたムダ毛は抜け落ちていきます。そして次のムダ毛グループが生えてきた段階で、再度照射を行うことで徐々にムダ毛を薄くしていくという仕組みです。これが繰り返されると生えてくるムダ毛はだんだんと細くなっていくので、自己処理もとても楽になります。
しかし光脱毛IPLの脱毛はあくまで「毛が生えにくくなるもの」として考えらえています。これは毛母細胞を刺激することはできても、破壊して二度とムダ毛が生えないようにすることはできないからです。
毛母細胞の破壊は法律でも医療行為とされており、現段階では医療脱毛であるクリニックのレーザー脱毛でのみ認められています。
光脱毛IPLの脱毛でも十分な効果を実感する人が多いのですが、数年たってからちらほらとまたムダ毛が生えてくることもあります。
光r脱毛は手軽で、安く施術が受けられ、店舗数の多い大手も沢山あるので通いやすいというメリットがあります。
5.レーザー脱毛の仕組み

光脱毛と比較して明らかに違うのは、そのレーザーの威力、すなわち光の出力です。高い出力のマシンを使用することから、医師の常駐が義務付けられています。万が一の肌トラブルなど速やかに対応してもらえるのも最大のメリットと言えます。
医療脱毛で使用されているレーザーは、アレキサンドライトレーザーもしくはダイオードレーザーであることがほとんどです。最近ではクリニック特有のレーザー脱毛機を打ち出しているところもあり、これからますます進化していくと考えられます。
レーザー脱毛の仕組みは、毛根にあるメラニンに反応してムダ毛を生やす毛母細胞の組織を破壊することで脱毛効果を生んでいます。メラニンの黒い色素に反応するという点では光脱毛と共通していますが、しっかりと毛母細胞を破壊するのが最大の違いです。
特徴としては、産毛のような細い毛にはメラニンが少ない為作用しにくいというところです。反してムダ毛が太くて密集しているような部位の方が脱毛効果を得やすいです。その為脇やデリケートゾーン以外には、他のレーザー脱毛機を用いるサロンもあるようです。
●色素が濃い部分にはレーザーは向かない
レーザー脱毛の注意点として上げられるのが、色素の濃い部分での照射です。例えば乳輪やO付近などは色素が濃い為、レーザー脱毛には向きません。